日本経営品質賞は、アメリカ経済の復活に寄与したといわれる「マルコム・ボルドリッジ賞」がもとにあります。 日本において、この賞の仕組みを徹底的に研究し、1995年12月、財団法人 社会経済生産性本部が「日本経営品質賞」を創設しました。 グローバルな競争市場のなかで、日本企業が国際的に競争力のある経営構造へと質的な転換を図るため、 顧客からの視点で経営全体を運営し、自己革新を通じて新しい価値を創出しつづけることのできる 「卓越した経営品質の仕組み」を有する企業を表彰する目的で創設された表彰制度です。



基本理念と重視する考え方

目指す姿・基本理念・重視する考え方

経営品質の向上とは、組織が継続的に経営革新に取り組み、「卓越した経営」を「目指す姿」としています。「抜きんでる」「際だつ」というニュアンスに近いものです。特に「独自性」を重視しています。平均的や平凡な考え方や方法ではなく、独特で他に類を見ない考え方ややり方を創り出すことを目指します。
 そのためには、経営を革新するための考える枠組みが必要です。それがアセスメント基準書です。このアセスメント基準書は、組織を変革するための「思考の枠組み」を提供しております。前提となる価値観をまとめたものが、「基本理念」です。経営を革新する際に、経営のプロセスやシステムを検討します。その際にどのような「考え方」を用いるかということに直面します。その際に「答え探し」ではなく、「こう考えてみてはどうだろう」という「問い探し」が望まれます。その問い探しに役立つ考え方をまとめたものが「重視する考え方」です。
 この「目指す姿」「基本理念」「重視する考え方」で経営革新を進めていきます。「経営品質」は「卓越した経営」(performance excellence)をめざしています


<写真左:アセスメント基準書  写真右:アセスメントガイドブック>

基本理念の4要素

・ 顧客本位:目的は顧客価値の創造。価値の基準を顧客からの評価におく
・ 独自能力:組織の「見方」「考え方」を学習して独自能力を獲得する
・ 社員重視:組織内の全ての人がオーナーシップを持って創造性を発揮する
・ 社会との調和:社会に貢献し、社会から信頼される

9つの重視する考え方

1.コンセプト
2.変革
3.価値前提
4.プロセス
5.創発
6.対話
7.戦略思考
8.ブランド
9.イノベーション

「目指す姿」「基本理念」「重視する考え方」は、経営品質向上を進めていくための「概念構成」です。基本理念の4要素を同時に満たす「卓越した経営」をめざすために、どのように考えたらよいのかが「重視する考え方」です。
 この概念構成で明らかになった理想的な姿を具現化するために「フレームワーク」を活用します。

フレームワーク

経営品質を向上するには、どの組織にも共通してあてはめられる枠組みを用いて経営全体をアセスメントすることが大事です。それが「フレームワーク」です。「組織プロフィール」と「8つのカテゴリー」で構成されています。

「組織プロフィール」とは、8つのカテゴリーの基盤となる位置づけです。組織の「理想的な姿」に対して、提供価値、顧客、競争、経営資源について、現状と環境変化を整理して、変革の方向性や経営課題を明らかにするものです。

「カテゴリー」は、どの組織にも共通する経営全体を見る要素を8つに分類したものです。それぞれのカテゴリーから経営活動の状態を多面的に評価するとともに、カテゴリー間のつながりも見ることで、複雑な要因が絡み合う課題を多様な視点で深く掘り下げることができます。各カテゴリーには、さらに区分された17のアセスメント項目で構成されています。実際の審査におけるアセスメントは、このアセスメント項目単位で実施することとしています。

全体を表すものが下の図です。各カテゴリーの()内は、1000点満点の配点です。アセスメントを行うことで、「組織の成熟度」がわかるとともに、点数化することが可能です。

1 リーダーシップ(100)
2 社会的責任(50)
3 戦略計画(50)
4 組織能力(100)
5 顧客・市場の理解(100)
6 価値創造プロセス(100)
7 活動結果(450)
8 振り返りと学習(50)

「基本理念」や「重視する考え方」を使って「理想的な姿」を具現化するためにこの「フレームワーク」を使ってアセスメントを行います。アセスメントは経営の実務を評価するのですが、常に「基本理念」や「重視する考え方」をふまえて思考や対話をすることが大切です。実務を、概念に立ち返ってアセスメントする「理論的な整合性」が重要です。その一方で、「概念構成」という理論が重要でも、実際の経営資源や環境を考えると実務上実行が難しい場面もあります。アセスメントは結果を行動に移し、成果をあげることが大切です。「実務につながらない」ことは意味がありません。実務上無理はないかという「実務的妥当性」を検証することもあわせ大切なことです。

組織の成熟度

経営品質向上の考え方におけるアセスメントの目的は、組織のめざす「理想的な姿」を実現するため現状の「組織の成熟度」を明らかにして、次のレベルへ強みと課題を明確にすることです。私たちの考える「組織の成熟度」とは、組織の自己革新能力の高さや卓越した経営への到達度を6段階のレベルで判定できるようにしたものです。その際に用いるものが「評点ガイドライン」です。この6段階の経営状態を評価する考え方は、「成熟度モデル」を基本としています。「成熟度モデル」とは、組織をどのように改善革新するのが良いかを認識するために、未熟な組織と成熟した組織を比較し、組織の状態の違いを明らかにしたものです。「活動のための仕組みのあるなし」や「手法の優劣」よりも、「活動の目的や考え方」、「プロセスや独自性」に着目します。




<写真:成熟度ガイドライン>

日本経営品質賞 過去の受賞組織
<1996年度>
 
NECエレクトロニクス(株)
<1997年度>
  
千葉夷隅ゴルフクラブ
アサヒビール(株)
<1998年度>
  
(株)吉田オリジナル
(株)日本総合研究所
<1999年度>
富士ゼロックス(株)
第一中央販売本部
(株)リコー
<2000年度>
  
日本アイ・ビー・エム(株)ゼネラルビジネス事業部
(株)武蔵野
<2001年度>
第一生命保険
セイコーエプソン(株)情報画像事業本部
<2002年度>
 
パイオニア(株)モバイルエンターテイメント
カルソニックハリソン(株)
ネッツトヨタ南国(株)
<2003年度>
NECフィールディング(株)
<2004年度>
  
千葉ゼロックス(株)
(株)ホンダクリオ新神奈川
<2005年度>
トヨタ輸送(株)
松下電器産業(株)オートモーティブシステムズ社
松下電器産業(株)ホームアプライアンス社
(株)J・アート・レストランシステムズ
<2006年度>
  
福井キヤノン事務機(株)
滝沢村役場
<2007年度>
福井県民生活協同組合
<2009年度>
 
(株)スーパーホテル
万協製薬(株)
<2010年度>
(株)武蔵野
<2011年度>
  
シスコシステムズ
川越胃腸病院
(株)ねぎしフードサービス
<2012年度>
福井済生会病院
<2013年度>
  
滋賀ダイハツ販売(株)
(株)ワンダイニング
西精工(株)
<2014年度>
こうほうえん
<2015年度>
  
(株)スーパーホテル
<2016年度>
日本全薬工業(株)
(株)カワムラモータース
(株)ピアズ

(経営品質協議会様Webサイトより転用)